ゆるふわおぎゃり系おじさんの冒険

3人の大人のアウトドア生活を記録していきます。登山、キャンプ、ロードバイク、バンド、その他などなど。

もうけもんだね

気づいたらパパになってた

 お久しぶりです。榊akaブタおじさんでございます。

 前回の記事をいつ書いたのすら憶えていないほど悠久の時を経ての更新になります。

(raruが何やらその間書いていましたが)

 娘が生まれてもうすぐ一年になります。

 生まれてからこれまで、本当にあっという間で、だけどかつてないほど濃密な時間を過ごしたなという感想です。

 また、母子ともに今日まで大きな問題がなく、健康でいてくれることが本当にありがたいことだと思っています。

 とは言っても、出産は本当に命懸けなんだなって、頭では分かっていたけれど、いざ立ち会ってみると壮絶の一言でした。

 なのでここいらで一度、この一年をざっと振り返ってみようと思います。

 随分長い記事になってしまいました。まあ備忘録ってことで。

一人ディズニーデビュー

 いきなり出産関係ないじゃねえかと思うかもしれませんが、そうではありません。

 去年の夏、妻は里帰り出産をするため実家へ帰っており、僕はしばし一人暮らしと相成りました。

 正直言って(妻には口が裂けても言えませんが)子供が生まれることはこの上なく嬉しい反面、今までのように自由に遊ぶことができなくなることや、人生の主役はもう自分では無くなってしまうのかと言う寂しさ、自分のような人間が父親になれるのだろうかという不安など、100%ポジティブな感情だけではなかったことは事実です。結果として娘と対面した瞬間から今まで、そんな感情は吹っ飛んで、それより遥かに大きなハッピーに自分の心は占められるのだけど、とにかく当時は心配しつつ、その名残惜しさを消すように、暇を見つけてはサウナに通って映画を見て、筋トレをして、といった生活をしておりました。

 そうこうしているうちに予定日が近づき、僕はとあるミッションのために一人ディズニーシーへ向かったのでした。

 そもそも僕は元々ディズニーが大好きで(最近のディズニー事情や大好きなスターウォーズをめちゃくちゃにしたことなど一筋縄では行かないクソデカ感情はありつつも)、当然ディズニーリゾートについても幾度となく訪れては帰りの車で次はいつ行こうかなんて考えているタイプの人間です。そんな僕に付き添う形で何度もディズニーリゾートへ来訪するうちに、妻もそれなりにネズミとその仲間たちのファンになっていきました。

 なので、これから生まれてくる娘の友達として、ダッフィーのぬいぐるみを手にいれることはひどく自然な流れなのでした。ですが、ただ彼を購入するだけではつまらないため、せっかくならこの際一人でディズニーシーに行って、ついでに遊んでこようと思ったわけです。

(ダッフィーのぬいぐるみはどうしてもアーント・ぺグズ・ヴィレッジストアで買いたかった。)www.tokyodisneyresort.jp

 

 気を利かせた妻が、ちょっと早めの誕生日プレゼントとしてチケットをくれたので、これはもう行くしかありません。

 幸いなことに天候にも恵まれ、いざパークへイン。

 そこからはもう、ずっと幸せな時間でした。おっさんが一人、ダッフィーを小脇に抱えてシーを彷徨うことには流石に一抹の不安を覚えていたのですが、実際そんなことはすぐに気にならなくなりました。

 唯一例外でヴェネツィアンゴンドラだけははちゃめちゃに肩身が狭かったです。四方をカップルに囲まれる中、身動きがほぼ取れないゴンドラにダッフィーを抱えたおじさんが搭乗しているわけですから。僕だけではなく、周囲の方達も戦々恐々だった可能性もあり、若干の申し訳のなさと居心地の悪さがありました。

 とはいえそれ以外はもうさすがディズニーの魔法と言うべきでしょうか。自分のペースで身軽にパークを回れることは、想像以上に快適で、時間はあっという間に過ぎていきました。

 また、キャストさんの対応の素晴らしさに改めて感動しました。僕がアトラクションに並んでいる時など

キャストさん「何名様ですか?」

僕「一人と一匹です」

キャストさん「あらあ、ダッフィーちゃんとデートなんですね。隣に座らせて大丈夫ですよ(抱えて乗ってくださいね〜の場合もあった)」

僕「そうなんですよ〜。ありがとうございます」

 こんなやりとりをさせていただきました。何がすごいって、会話の相手が僕みたいなキモいおっさんでも怪訝な顔やらを何一つせず、完璧な笑顔で間髪入れずに対応してくれるところだと思うんですよ。

 ※パーク内ですれ違ったお客さんに「あの人さっきもいたね……(引き気味)」みたいなことは言われてしまったので、時折辛いタイミングはあったけど。

 シングルライダーなんかも駆使して、結局主要なアトラクションは概ね乗ることができ、気がついたら閉園の時間になっていました。(ダッフィーちゃんはデカすぎるのとおっさんの発汗がやば過ぎたため、午後からは車で休憩となりました)

変な汗かきながらクソデカダッフィーを抱えるおじさん

レストランではダッフィー用の席を用意してくれました

 

サウナの思い出その1『舞浜ユーラシア』

 当初の計画ではディズニーを出た後は、そのままテンションとアドレナリンに任せて直接妻の実家へ行く予定でしたが、流石に遊び倒した後の3時間超のドライブはリスクあるよねってことで、宿泊をすることにしておりました。

 せっかくなので、行ってみたかったホテルに泊まることに。(ダッフィーと二人で)

 それが、舞浜ユーラシアです。

www.my-spa.jp

 ここのサウナが非常に評判が良く、遊び疲れた身体を癒そうと言うわけです。

 チェックイン時には、僕と同じくディズニー帰りと見受けられる方が多数おりました。そこでも一際異彩を放つのは子連れならぬ熊連れのおっさん。一日それなりに奇異の目に晒された僕はもう何も動じることはなく、堂々と受付を済ませたのでした。

 部屋のベッドにダイブする儀式を一通り済ませ、すぐにサウナへ向かいます。

 更衣室からすでに広く、期待が比例して膨らみます。浴室もその期待に違わぬ広さがありました。内風呂だけでなく、露天もです。また、ちゃんとした温泉というのも高ポイントです。

 さて、サウナですが、僕は2種類(ケロとフィンランド)入りました。(公式サイトだと4つあります。その日ハマムはやっていませんでした)

 フィンランドサウナも心地よい高温でとても良かったのですが、ケロサウナの出来の良さに驚きました。清流荘のケロサウナを体験していたので、そこまで期待していなかったのですが、個人的には遜色無いレベルでした。

 水風呂もちょうどよい冷たさで、さらに外気浴もできたので大満足でした。

噂に違わぬハイレベルな施設でした

サウナの思い出その2『スパ・アルプス』

 舞浜ユーラシアに一泊した翌日、僕はダッフィーとその他もろもろのお土産を持って高速道路をひた走りました。妻の実家まで約3時間超のドライブです。

 実は今回の旅にはもう一つ目的地がありました。これは完全に僕の個人的な予定なのですが、富山にある北陸の聖地と名高いスパ・アルプスにどうしても行ってみたかったのです。妻の実家は長野にあるのですが、まずそこへ必要な物資を届け、一休みしたのちにスパ・アルプスまで足を伸ばし、一泊して翌日の午前のうちに再び妻の実家へ戻ると言う旅程を組んでおりました。あまりない機会とはいえ、気をつけていってこいと許可してくれた妻には感謝しかありません。

※足を伸ばすと言っても妻の実家からスパアルプスまで200キロくらいあります。あのあたりはお山がたくさんあるので、直線距離なんかは決して信じてはいけません。

 そうこうして始まったドライブなのですが、Apple Musicで何となく流していた神門のラップが妙に心に響いて、泣きそうになりながら山の中の高速道路を運転していたのが今でも鮮明に思い出せます。例えばこんな曲たちです。

www.youtube.com

www.youtube.com

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 それまでしっかり聴いたことがなくて(不可思議/wonderboyのカバーくらいしか知らなかった)本当に何の気なしに流していたのだけど、自分の状況も相まってか、なんだかとても胸にくるものがありました。おかげで途中で眠くなってしまうなんてこともなく、気がつけば僕はもう長野に着いておりました。それからしばらく、僕の家と妻の実家を往復する時は、神門のラップが定番になりました。

 話が逸れてしまいましたが、そうして僕はスパ・アルプスに辿り着きました。

www.sauna-alps.com

 ネオンの看板がいい感じです。入ってみると、古き良きスパ施設って感じがして落ち着きます。サウナは暑さの割に非常に入りやすく、じっくり大量に汗が出ます。水風呂は2種類あり、設定温度よりも冷たく感じるのですが、これまたまろやかで入りやすいです。まさに北陸のしきじと言った感じなのですが、ここは外気浴ができるので、その点は明確にスパ・アルプスへ軍配が上がります。きっちり3セットをこなしてフィニッシュ。ばっちりととのいました。その後は食堂でサウナ飯を喰らい、カプセルスペースで爆睡するというパーフェクト滞在。

 翌朝もしっかり朝サウナをキメて、妻の実家へとんぼ返りしたのでした。

 

北陸の雄、スパ・アルプス

 

絶対に言っては行けないワード

 さて、そんな感じで赤ちゃんに出会う準備をしていくうちに、いよいよ予定日が近づいてきます。初産には良くあることみたいなのですが、僕たちの子供もまだ快適なお腹の中にいたかったようで、予定日が過ぎてものんびりしていました。

 そうこうしているうちに1週間ほどが経過しましたが、娘はというとまだのんびり胎内ライフを満喫しておりましたので、妻は入院して、彼女に出てきてもらう準備をすることになりました。

 僕も毎日朝から晩まで病院に通い詰めます。痛みに耐える妻を見ているには本当に辛くて、赤ちゃんに対して、自分のペースでいいからねって思う反面、早く出てきてよって願う気持ちも同時に持っていました。

 さて、実は病院に通うにあたり、妻には前もって注意されていたことがありました。それは、決して「頑張れ」と言わないことです。当然全力で妻も子供も頑張ってるんだから、まあ言われてみれば当たり前です。僕はついうっかりでもそう言わないように心がけ、「いいよ」「大丈夫」「その調子」「すごいね」「ありがとう」のような、前向きな言葉と一緒に背中をさするようにしていました。

 ことが起きたのは、通い出して2、3日めくらいのことでした。相変わらず辛そうな妻の背中をさすっていた時のことです。ちょうど助産師さんもきてくれて、一緒に妻のサポートをして頂いていました。

僕「いいよ〜、大丈夫、その調子だよ〜」

助産師さん「そうそう、いけるよ〜。頑張れー!! 頑張ってー!!」

僕「……」

 妻は相当辛かったのか、この一幕を覚えていないようなのですが、僕は今でも時々思い出しては笑ってしまいます。

 でも本当にこの時は、今まで見たことないほど衰弱しているように見える妻の姿に、胸が締め付けられる思いでした。妻の前で僕が辛い顔をするなんて絶対に出来ないので、努めて明るくいようとしましたが、毎日不安で仕方ありませんでした。子供もさることながら、妻は大丈夫なのだろうか。ずっと思っていたことですが、母子ともに無事なら、二人が健康に病院を後にできるなら他にはもう何もいらないと、改めて強く願いました。あと今にして思うと、母親って、本当にすごいんだなって、思い知らされたよね。

病院から虹が見えました。この虹になんだか少し救われた気持ちになったのを覚えています。

来てくれてありがとう

 最終的には予定日から約2週間後に彼女は僕らのところへやってきてくれました。2810グラムの女の子。妻も消耗し切っていましたが、それ以外は大事ありませんでした。本当に素晴らしいことです。妻には感謝してもしきれません。

 助産師さんに連れられてやってきた赤ちゃんは、とても小さかったけど、びっくりするくらい存在感がありました。命そのもの、って感じでした。初めて赤ちゃんを抱っこするイメージはずっと持っていたのですが、タオルに包まれた彼女を受け取った時の気持ちは、とても言葉では言い表せませんでした。色々な感情が混ざり過ぎて、フリーズに近い感じだったかもしれません。でも、優しくてあったかかったことは間違いありません。

 僕らのところに来てくれてありがとう、そう思いました。

 もうそれから1年近く経つので改めて思い返してみると、子供って本当に尊いものです。僕は昔、本当に死にたかったことがあって、どうしようもない憎しみに支配されていた時もあって、人生何もかも嫌になっていました。それから色々な偶然が重なって妻と出会い、子供と出会い、月並みですが、生きていて良かったって心から思うようになりました。そして以前に比べて随分と優しい人間に慣れているのではないかとも感じています。

 全ての人に、結婚をして子供を持つべきだ、なんて勧めるつもりは毛頭ありません。コスパやタイパ、あるいは趣味に費やす時間なんかで言えば、独り身に勝るものはないのかもしれません。上にも書きましたが、僕も子供が出来たら自分はもう人生の主役じゃなくなるんだって思っていましたし、それが少し嫌だった時もありました。実際、筋トレの時間は取りづらくなったし、サウナに行く回数もめっきり減ったし、映画館にもなかなかいけませんし、友達ともほとんど遊べません。でも別に、それらが僕の人生から失われることはありませんでした。筋トレもサウナも映画も遊びも、大抵のことは工夫次第で出来ます。なんならベンチプレスは子供が生まれた後に140kgを挙げることが出来るようになったので、むしろ成長しているくらいです。筋力だけではなく、なんだか人間として一回り強くなれたような気さえしています。少なくとも僕の人生は、子供が生まれたことで、より楽しく、より幸せになっていると心から言えます。それはいわゆるコスパやタイパのような概念で測るものではなく、全く別の次元の話なのでしょう。結局、僕の人生の主役は相変わらず僕のままで、ただ、主演が増えただけなのです。

お揃いのThe SaunaのTシャツ

家族でいろんなところへお出かけしてます。raru家にも会いに行きました。

 

車もポストアポカリプスでも生き残れるタフガイ仕様に変更



もうけもんだね

 なんか全然一年振り返れませんでした。ここで一気に書き切るには多すぎるほど色々なことがあったので、その辺りはまた別の機会に書けたら書こうと思います。

 最後に、娘が好きな「シナぷしゅ」という番組の中に、「もうけもん」と言う曲があります。これを初めて聴いた時、思わず泣いてしまいました。

www.youtube.com

 ほんともう、もうけもんだね。